水の三重点セル 5901

  • 5901 Triple Point of Water Cells
  • 5901 Triple Point of Water Cells, ITS-90 Temperature Standards
  • 5901 Triple Point of Water Cells

主な機能

  • ± 0.0001 ℃よりも優れた不確かさがあり、使い易く、安価な標準。
  • 4つのサイズと2つのシェル(ガラスと石英)から選択可能
  • ウィーン標準平均海水の同位体組成
  • 水の三重点(TPW)は、最も正確で、使用できる基本的な温度標準であり、最も廉価で使い易い手法の1つです。

製品概要: 水の三重点セル 5901

重水

フルーク・キャリブレーションのセルに充填されているのは注意深く何度も蒸留された海洋水で、慎重に真空排気してから密封することで、「ウィーン標準海洋水(VSMOW)」の同位体組成を理想に近い状態で維持しています。

ほとんどの水中の酸素原子は、主に 8 つの陽子と 8 つの中性子で構成されています(16O)しかし中には中性子が1つ(17 O)または2つ(18 O)余分にある酸素原子もあります。同様に、水の水素原子は通常陽子 1 つのみで構成されています(1H)が、中には中性子も伴って(2H)「重」水となるものもあります。海洋水、極地水、大陸水の中には、これらの同位体が異なる割合で同時に存在しており、中でも海洋水が最も重い水となっています。

ITS-90 では、水の三重点セルには「実質的に海洋水の同位体組成」を持つ水を使用するよう推奨しています。同位体組成に関連した TPW の誤差は 0.00025 ℃にもなることが調査で明らかになっています。フルーク・キャリブレーションのセルでの VSMOW 誤差による不確かさは ±0.000007 ℃以下です。

フルークでは、低コストで水の三重点セルの同位体組成を検証できる方法を2つご案内しています。1 つは、セルから採取した試料水を試験機関に提出し(製造完了後に採取するため、有効な比較が得られます)、テスト・レポートをお渡しするものです。もう 1 つの方法は、お客様ご自身でテストが行えるように試料水をアンプルに封入してお送りします。同じセルから複数のサンプル(実質いくつでも)を提供できるため、経時変化を確認することも可能です。

不純物

同位体組成による誤差よりもずっと生じやすいのが、水中の不純物が原因の誤差です。フルーク・キャリブレーションのセルは何度も蒸留を行い、特別な技法を用いることで水の純度を保っています。例えばフルーク・キャリブレーションの一次標準ラボでは石英セルとガラス蒸留システムを、汚染を招く恐れのあるハードウェアを介して結合するのではなく直接つなげるという方法が採られています。

ガラス vs. 石英

フルークの水の三重点セルは通常、ホウケイ酸ガラスか溶融シリカ(石英)かをお選びいただけます。2 つの違いは、ガラスは石英よりも安価ですが、多孔質であるため時間の経過と共に不純物の透過を許してしまいます。調査によると、ガラス製のセルのドリフトの代表値は約 0.00006 ℃/年です。

多様なサイズ

フルークの水の三重点セルには4種類のサイズがあります。モデル 5901A、5901C、5901D には、それぞれ石英とガラスがあり、温度計の浸没度は 265 mm です。各モデルの一番大きな違いは(5901A のアームを除けば)、ウエルの内径です(仕様タブのセルの寸法をご参照ください。 5901C セルの内径は材質によって異なります。)。セル内の水の三重点を何週間も維持できるバスも各種取り揃えてあります。どのセルの場合も、NVLAP 認定の校正成績書をご希望の際は、モデル No.1904-TPW でご注文ください。

5901A セルにはアームが付いており、このアームはハンドルやフック、またはセル内の残留空気を確認するマクラウド真空計として利用することができます。フルークでは慎重に製造工程が決定されており、石英セル内の気泡をガラス・セルの気泡と同程度に小さく抑えています。4 つ目のサイズのセルは 5901B で、他のセルに比べてかなり小さく、ガラス・セルのみです。このセルは、TPW の実現と維持を自動的に行う 9210 メンテナンス装置と合わせて使用するように設計されています。9210 と 5901B の組み合わせは、温度計の校正にもセンサーのドリフトの定期的なチェックにも最適です。

アクセサリ

大きめのセルで TPW を実現する最も簡単な方法としては、2031A「クイック・スティック」イマージョン・フリーザーを使えば、ドライアイスとアルコールを用いてセル内に迅速にマントルを形成することができ、アイス・マントルの形成中に絶えず手を加える必要がありまs。

フルークでは各三重点セルに保険をかけることもできます。三重点セルの取り扱いは容易であり、TPW の実現が難しいということはありませんが、デリケートなものでアクシデントが起こらないとは言えません。低額な料金で、1 年間の保証を提供します。問題が起きたときにはご連絡ください。原因に関わらずセルを交換します。

温度標準の技術者にとって、信頼できる水の三重点セルほど重要なツールはありません。フルーク・キャリブレーションのセルは適切な水、適切な容器、適切な製造方法を採用しており、最高レベルのセルであることが保証されています。

仕様: 水の三重点セル 5901

仕様5901A-G5901A-Q5901C-G5901C-Q5901D-G5901D-Q5901B-G
拡張不確かさ(k=2)< 0.0001 °C< 0.0002 °C
再現性0.00002 °C0.00005 °C
寸法50 mm OD
12 mm ID
450 mm long
60 mm OD
13.6 mm ID
420 mm long
60 mm OD
14.4 mm ID
420 mm long
60 mm OD
12 mm ID
420 mm long
30 mm OD
8 mm ID
180 mm long
浸没度(水面からウエルの底)265 mm118 mm
材質ホウケイ酸ガラス溶融シリカ(石英)ホウケイ酸ガラス溶融シリカ(石英)ホウケイ酸ガラス溶融シリカ(石英)ホウケイ酸ガラス
水源海洋
dDVSMOW± 10 ‰ (± 1 %)± 20 ‰
d18OVSMOW± 1.5 ‰ (± 0.15 %)± 3 ‰
VSMOWからの偏差効果± 7 µK± 14 µK

モデル: 水の三重点セル 5901

5901A-G

TPW セル、内径12 mm、ハンドル付き、石英シェル


5901A-Q

TPW セル、内径12 mm、ハンドル付き、石英シェル


5901C-G

TPW セル、内径13.6 mm 、ガラス・シェル


5901C-Q

TPW セル、内径14.4 mm 、石英シェル


5901D-G

TPW セル、内径12 mm、ガラス・シェル


5901D-Q

TPW セル、内径12 mm、石英シェル


5901B-G

ミニTPW セル、ガラス・シェル


3901-11

TPW セル用均熱ブロック、5901/5901A 用、内径 7.5 mm


3901-12

TPW セル用均熱ブロック、5901/5901A 用、内径 5.56 mm


3901-13

TPW セル用均熱ブロック、5901/5901A 用、内径 6.35 mm


3901-21

TPW セル用均熱ブロック、5901C用、内径7.5 mm


3901-22

TPW セル用均熱ブロック、5901C用、内径5.56 mm


3901-23

TPW セル用均熱ブロック、5901C用、内径6.35 mm


1904-TPW

セルの比較校正(認定校正)


5901-ITST

同位体組成分析、TPWセル


5901-SMPL

サンプル水、TPWセル(密閉ガラス・アンプルで提供)