可変速ドライブからの電圧パルスは、モーターのステーターからローターへと連動し、ローター・シャフトに電圧が出現する原因となります。このローター・シャフト電圧がベアリング・グリースの絶縁能力を超えると、アーク電圧 (放電) が発生し、モーター・ベアリング・レースに穴や溝ができ、モーターの早期故障につながる損傷が発生します。この用例では、MDA-550 モーター・ドライブ・アナライザーとシャフト電圧プローブを使用してモーター・シャフト電圧の放電を測定する方法を説明しています。
シャフト電圧の放電
モーターのステーターとローターの間の容量カップリングによりモーター・シャフトに電圧が生じることがあります。このため、電気モーターのベアリングが摩耗して破損することがあります。これは、シャフトの回転だけが原因でなく、モーター・シャフトからベアリングを通じてグラウンドまでの電流の流れによっても起こります。正弦波 AC 電源を動力とするモーターのシャフト/ベアリングからフレームの電圧は 1 ~ 2 V 程ですが、可変周波数ドライブ (VFD) の高速スイッチング波形が供給されるモーターはシャフト/ベアリングからフレームの電圧が 8 ~ 15 V にもなります。このレベルの電圧は、ベアリング・グリースの絶縁特性では対処できず、発生するスパークにより小穴、細溝、融解痕が生じ、最終的にベアリングとモーターが早期に故障する可能性があります。
シャフト電圧プローブ
モーターのステーターとローターの間の容量カップリングによりモーター・シャフトに電圧が生じることがあります。このため、電気モーターのベアリングが摩耗して破損することがあります。これは、シャフトの回転だけが原因でなく、モーター・シャフトからベアリングを通じてグラウンドまでの電流の流れによっても起こります。正弦波 AC 電源を動力とするモーターのシャフト/ベアリングからフレームの電圧は 1 ~ 2 V 程ですが、可変周波数ドライブ (VFD) の高速スイッチング波形が供給されるモーターはシャフト/ベアリングからフレームの電圧が 8 ~ 15 V にもなります。このレベルの電圧は、ベアリング・グリースの絶縁特性では対処できず、発生するスパークにより小穴、細溝、融解痕が生じ、最終的にベアリングとモーターが早期に故障する可能性があります。
測定機器
MDA-550 シリーズは、三相および単相インバーター式モーター・ドライブ・システムによくある問題をすばやく、簡単にテストし、トラブルシューティングできるよう設計されています。4 チャンネル携帯型オシロスコープと記録装置のほか、モーター・ドライブ分析機能を備え、画面の指示に従ってステップごとにセットアップが行えます。アナライザーの設定が簡単に行え、設置されたモーターの電源入力の測定やシャフト電圧の測定などが行えます。
シャフト電圧のスパイクは非常に短時間で、マイクロ秒単位の測定範囲を下回ります。Fluke MDA-550 の 500 Mhz 高帯域幅と高速サンプリング・レート (最大 5 Gsample/s) は、短時間の電圧の変化を測定するのに最適です。
測定結果
デフォルト設定によるモーター・シャフト電圧測定は、モーター・シャフトで測定された電圧波形を表示します。画面上部に表示された電圧ピーク間の値は、収集した波形の最大レベルを示します。これは、シャフトに高電圧が存在することを示すものです。しかし、この方法ではこれら短時間の放電が起こる回数を知ることができません。MDA-550 の「EVENTS ON (イベント・オン)」機能を使うと、定義済みの最小電圧差と最大時間差をもとに放電波形が表示されます。
表示は波形ごとに更新され、急峻な上昇/下降時間とともに、毎秒の検出回数が表示されます。放電の波形には、接地電圧の上昇に続き、放電時の接地電圧の鋭い縦のラインが見られます。直前に記録した波形を詳細に分析するため、MDA-550 の「再生」機能は 波形表示を100 件保存できるバッファーを備えています。表示は個々に選択することや、アニメーション表示が可能です。
15 V を超える放電と 50 ナノ秒よりも高速の遷移時間は、ベアリングを損傷するおそれのある放電を示します。ただし、他に影響する要因が多くあるので、これだけではベアリングの損傷を特定することはできません。
シャフトに過剰な電圧が検出された場合は、ケーブル、設置、ドライブ・パラメーター、潤滑油を調整することで放電が減らせるかを見るとよいでしょう。それができない場合や、問題を緩和できない場合は、シャフトの接地機器やシャフトの分離が有効な解決策です。シャフト電圧を軽減することの効果は、先に記録した発生回数と変更後の発生回数を比べることで簡単に分かります。
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